霧島連山の麓に山小屋の蔵
万膳酒造は霧島連山の麓の小さな蔵元です。
かめ壺に仕込みで木桶蒸留機を使って蒸留するという、およそ近代的とは言い難い手作りの芋焼酎を作っています。
万膳酒造自体は大正１１年創業ですが、一時蔵元を閉めており再開したのは平成１１年です。
その時に霧島連山の麓に新たな醸造所を建てたとのことです。
比較的新しい蔵元なのに、その設備は昔ながらの製法にこだわり、麹造りから蒸留まで丁寧に手作業で作っています。
原料にもこだわりがあり、芋は霧島の黄金千貫、米は岩手のひとめぼれ、水はもちろん霧島烈火水（きりしまれっかすい）です。
万膳酒造の芋焼酎は黒麹の万膳、黄麹の万膳庵、そして白麹の真鶴とあります。
万膳は濾過していません。
濾過しないと不純物の油分などでえぐみがあったりしますが、かめ壺で貯蔵、熟成するあいだに撹拌し、こまめにすくうことで油分などを取り除いています。
そのように丁寧に手間暇かけることで、独特な舌触りの焼酎が出来上がっているのです。
味は芋くささの少ない端麗な飲み口です。爽やさと芋の旨みがバランスよく瓶に詰められています。
木桶蒸留機を使っているから、ほのかに木の香りを含んだ複雑な香りが立ち上がります。
ところで万膳酒造の特徴でもある木桶蒸留機は一回に５００リットルしか蒸留できないそうです。
当然、出荷の量も少ないということになります。
このような美味しい焼酎を飲兵衛たちが放っておくわけがなく、当たり前にように手に入りづらくなっています。
無理な増産で質を落としてはもらいたくないし、かと言って飲みたいものは飲みたい。
酒屋の棚のまでジレンマはしばらく続きそうです。
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| 銘柄 | 萬膳 |
| 蔵元 | 万膳酒造 |
| アルコール | ２５度 |
| 蒸留 | 常圧（木桶蒸留） |
| 原料 | 芋（黄金千貫）、米麹（岩手産ひとめぼれ）、黒麹 |
| おすすめ | お湯割り、水割り |
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